おうちコラム
2026-05-14 20:50:00
本当のSDGsとは?思い出の詰まった畳を、畑の土へ還す理由
新城市での和室を洋間にリフォームする工事の現場にて、「永く使ってきた畳を処分場に捨てるだけはどこかもったいないので、畑に混ぜると良いと聞きました」そのお気持ちこそが、個人的に言葉だけが先歩きしているイメージに感じる、よく世間で言われる「SDGs」。どこかアピールっぽい言葉に感じてしまいます。
しかしその本質は、効率を捨ててでも命や物に敬意を払う「至誠」の行動にあると私は考えます。
現在、古い畳を畑の肥料にする取り組みを行っています。電動のこぎりで1枚30分以上かけてカットし、土に還らない化学繊維の縁や糸を一つひとつ手作業で外す。正直、途方もない手間がかかりました。4枚目くらいで「やっぱり、処分場に捨てましょう」と言いたくなりましたが、ここで捨てては、自分が嫌いなアピールっぽい言葉そのものではないかという気持ちと、お客様家族を、長年家族を支えた「家の思い出」を、ただのゴミにしたくないという念いからです。
昔ながらの藁とい草でできた畳は、最高の天然肥料です。土にすき込むことで微生物の働きが活発になり、ふかふかで豊かな土壌を作り出します。手間をかけて不純物を外すからこそ、純粋な自然の循環が生まれるのです。
祖父の代から続く家造りの歴史。先人たちが残した住まいの記憶を大地に還し、新たな命を育む。これこそが、私の信じる本当の持続可能性です。

